オンライン雑談会を149回続けて分かったこと

コロナ禍で外出が制限され始めた3年ほど前、初めてオンラインミーティングをしました。

「Zoomってどんな感じ?」

「分からないから使ってみる?」

そんなノリです。

↓記念すべき1回目のオンラインミーティング

試しにやってみたオンラインミーティング。これが想像していた以上に楽しい‼2回、3回と毎週続いて、都度誰かから「来週はいつにする?」という言葉が出るようになって…始めて8ケ月を過ぎた頃には20年続ける事になってました(笑)

↓3人で始めて途中4人だったことも

そもそも毎回何をしているのか

このオンラインミーティングは雑談会。話すテーマは特に無くて、決まっているのはこの二つだけです。

・基本は木曜日の夜9時半から始める
・会場はメンバーが持ち回りで作る

口火を切る話題は、過去一週間に見た互いのSNS投稿からの日もあれば、雑談会当日に起きたニュースからの日もある。

Zoom画面に映り込んだ各自の居場所にあるモノが気になって、そこから話が始まることもありました。

雑談の時間は概ね一時間半で、夜11時近くなると「今日もそろそろ時間だね」で終わる流れです。

「テーマも決めずに一時間半、しかも毎週同じメンバーで雑談出来るなんて、女はホントお喋り好きだね」そんな声が聞こえてきそう。

たしかにそれは正しい(笑)でも…ただ楽しい時間を過ごしているだけじゃありません。

■その1→生存確認

雑談会を始めた当初、雑談会は互いの「生存確認」の要素が色濃かったかも…

新型コロナウィルスへの不安が今よりもっと大きかった時期ですからね。毎週木曜日の夜9時半、Zoomの画面に姿が映し出されることは互いの元気を確認することになるワケです。

■その2→情報収集

住む場所も仕事も異なる雑談会メンバー。それぞれのアンテナにピッとくる情報は当然違います。違うには違うんだけれど、関係性のある人のフィルターを通した情報だからスッと受け入れられるし、自分だけだったら巡り合えない情報は刺激的で面白い!

ここで知った情報を元に新しく何かを始めることも多いのです。

■その3→自己発見

自分の良いところは本人には気付きにくい。でも毎週同じメンバーと喋っていると「そこが紫乃の良いところだよ」と他のメンバーに指摘してもらえたり、喋りながら自身で「そうか!ここは私の良いところかも」と見えてきたりします。

ちなみに…紫乃は私のニックネームで、参加メンバーは自称「木偶の嬢」。

会話だからこその安堵感

雑談会を続けている3年の間、それぞれの身辺に嬉しいこと・悲しいことが起きました。私に限って言えば、一番大きな出来事は父と夫との別れです。

父の様態が変わった日、結果的に父が亡くなる前夜、私は寒い寒い実家の2階からオンライン雑談会に参加しました。

「今日は非常事態だから雑談会は欠席するね」と雑談会メンバーにメッセージを送ることも出来たけれど、あえてそれをしなかった。

理由は、しばし自分を緊張感から解放して、その後にやって来る事柄に対処出来る心の柔らかさを持ちたかったから。

夫が亡くなった日は、ちょうどオンライン雑談会の日でした。夫が亡くなってから雑談会までの間に数時間あって、それこそメッセージで「今日は無理…」と伝えることも出来ました。

でも結局それをしなかった。

それは自分に起きた事実を文字ではなく会話で伝えたかったから。自分の心の「今」を言葉にして、相手の顔を見ながら、声や表情や身振りで伝えたかったかならのです。

会話で伝えたことは録音しない限りその場だけの言葉。話し相手の記憶に残るだけです。

伝えた相手の記憶の中だけに残る安堵感。

対面しながら心にあるものを出せた安堵感。

伝える内容が他愛もないことでも、深刻なことでも、会話だからこその安堵感がある。もちろん、伝える相手が「伝えたい」と思わせてくれる人だからというのも安堵できる理由ですけどね。

そんな安心しきった仲間だからコロナ禍でもリアルに会えました。

文字の良さもあるけれど

文字で伝えることは不安、と思っているワケじゃありませんよ。現に今もこうして文字で伝えているし、手紙を書くことも私は大好きです。

文字で伝えると、書いた方も受け取った方も、言葉を何度も味わえる良さもありますしね。

でも…会話を重ねなくては得られない安堵感、もっと言えば幸福感みたいなものが間違いなくある。

この3年間の雑談会を通じて私は感じています。

初めての雑談会の翌日、私は「ときどきやりたい」とコメントしているけれど…

あれからずっとオンライン雑談会が続いてくれてホント良かった。

この先も17年は続けたい。心の底から思っています。

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1959年千葉県生れ札幌育ち。事務員をするつもりで就職した会社でSE部門へ。精神と体を鍛えられつつ仕事の楽しさを知る。1986年、結婚を機に来た釧路で株式会社アシストを創業。以来 『仕事をもっと楽しくするには?』 に知恵を絞る。 2014年に 『葉子の部屋』 を、2015年に『つながり空間まめ』をアシスト内にオープン。テーブルを囲んでのお喋りから多くを学んだ子供時代の経験を仕事にも生かしたいと試行中。 絵を描くこと、モノを作ること、自然の中に体を放り込むことが好き。

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